わたしは5年前、脳梗塞で右半身麻痺でした。
3年半、デイサービスで理学療法士指導のもとリハビリをうけていました。
他の施設利用者さんもいて、わたしの相手をしてくれるのは、決まった時間でした。
「なんだか、毎日が面白くない」「ここにいると、なんだか気力がなくなる」
家に帰っても、家族からは煙たがれてる気がする。
わたしは誰からも必要とされていないんじゃないだろうかと思えてきました。
そんな時、新しい施設がオープンすることを知り、体験に参加してみることにしました。
「どこも同じと思うけど、行ってみるか」
中に入ると、大きな声で「こんにちはー」と、迎え入れてくれました。
明るくて、元気で、若いスタッフが多くいました。
なんだか、いままでとは違って自分に気づかってくれることや、
自分と向き合ってくれてるここを一度利用してみようと思いました。
わたしは、要介護3で右半身麻痺の状態。
当初は、運動もあまり積極的に取り組めずにいました。
しかし、スタッフや機能訓練士の一生懸命に少しづつ運動量を増やしていきました。
はじめはプーリーという機械を使い運動をしていましたが、右手でつかむことができず
包帯を利用してやっていました。
数日が経ち、体を動かす自信がついてきたことに喜びを感じてきていることに気が付きました。
そんなある日、わたしは自分でも信じられないことが起きました。
「右手が、動いた・・・」
あきらめていた、わたしの右手は動きました。
一緒に過ごしていた家族が、テレビそっちのけでわたしを見て止まっていました。
「嘘みたい。」
家族は言いました。それ以降家族は、わたしへの対応がかわった気がしました。
何より、このことを施設のひとに伝えたかった。
それを言った時、みんながわたしに、よかったと声をかけてくれたことは、
いまでもしっかりと覚えています。